MyWhooshテンポワークアウト厳選10選|目的別に選ぶ持久力強化メニュー

インドアトレーニングで持久力を伸ばしたいけれど、どのワークアウトを選べばいいかわからない。MyWhooshにはテンポカテゴリだけで98本ものワークアウトが収録されており、Endurance(89本)やThreshold(88本)を上回る最大級のカテゴリです。

この記事では、98本のテンポワークアウトの中から初心者から上級者まで目的別に厳選した10本を紹介します。すべて完全無料で利用でき、WorldTourコーチKevin Poultonやタデイ・ポガチャルのコーチJavier Solaが設計した本格的なメニューです。

FTPの76-90%(テンポゾーン)を中心に、持久力の土台づくりから実戦的なレース対応力まで段階的にステップアップできます。

目次

テンポトレーニングが「持久力の土台」と呼ばれる3つの理由

テンポトレーニングとは、FTP(1時間維持可能な最大パワー)の76-90%で行うZone 3のトレーニングのことです。Zone 2(Endurance)よりも強く、Zone 4(Threshold)よりも楽な「中強度帯」を指します。

RPE(主観的運動強度)では10段階中5-6程度で、「会話が途切れ始めるくらい」の体感です。Sweet Spot(88-94% FTP)ほどきつくないため、より長い時間を維持でき、回復も早い点が特徴です。

テンポ走が持久力の土台と位置づけられる最大の理由は、有酸素システムへの刺激量の大きさにあります。テンポ強度では乳酸の産生と処理がほぼ均衡する領域で、この状態を長時間維持することでミトコンドリアの密度向上と毛細血管の新生が促進されます。結果として、より高いパワーを長時間維持できる有酸素エンジンが構築されていきます。

もうひとつの重要な効果は、ペダリング効率の改善です。テンポゾーンは十分な負荷がかかりつつも余裕がある強度帯なので、フォームやペダリングに意識を向けやすい環境を提供してくれます。60分以上のテンポ走を繰り返すことで、実走でのペース感覚が身体に刻まれていきます。

ただしテンポ走だけでは限界があります。FTP向上にはSweet SpotやThresholdインターバル、レース対応力にはVO2maxやスプリントが必要です。テンポ走はあくまで「土台」であり、他のトレーニングゾーンと組み合わせてこそ効果を最大化できます。

MyWhooshのテンポカテゴリが他のプラットフォームを超える3つの強み

MyWhooshのテンポカテゴリには98本のワークアウトが収録されています。これは単にテンポ強度で漕ぐだけのメニューではなく、ストレングステンポ、ローリングテンポ、テンポクライミング、テンポサージなど18種以上のサブタイプに分かれており、目的や好みに合わせて選べる設計になっています。

最大の強みは、これらすべてが完全無料で利用できることです。Zwiftでは月額有料のサブスクリプションが必要ですが、MyWhooshは同等以上のワークアウトライブラリを無料で提供しています。BikeRadarも「構造化トレーニング重視ならMyWhooshは優れた選択肢」と評価しています。

もうひとつの強みは、ワークアウト設計者の顔ぶれです。メインデザイナーのKevin PoultonはUAE Team EmiratesのWorldTourコーチであり、Caleb EwanやAlex Dowsettといったプロ選手を指導してきた実績があります。

さらに、タデイ・ポガチャルのコーチJavier Solaが設計した「Criss-Cross Tempo」シリーズも収録されており、世界チャンピオンのトレーニングメソッドに触れられるのはMyWhooshならではの特徴です。

加えて、ERGモード対応のスマートトレーナーを使えば、FTPに基づいてパワーが自動調整されるため、設定した強度を正確に維持できます。テンポ走は「一定強度を長時間キープする」ことがポイントなので、ERGモードとの相性は抜群です。

テンポワークアウトを始める前に押さえておきたい準備

テンポワークアウトを効果的に行うためには、正確なFTP値の設定が不可欠です。テンポゾーンの強度はFTPの76-90%として計算されるため、FTPが正確でなければ狙った効果が得られません。

MyWhooshにはFTPテスト用のワークアウトが用意されているので、まずはこれを実施します。テスト結果に基づいてFTP値を設定すれば、すべてのワークアウトの強度が自動的に調整されます。FTPテストは4-6週間ごとに再測定するのが理想的です。

必要な機材としては、ERGモード対応のスマートトレーナーが特に推奨されます。ERGモードがあれば指定パワーを自動で維持してくれるため、テンポゾーンの「中程度の強度を長時間キープする」という要求に集中しやすくなります。心拍計も併用すると、心拍ドリフト(同じパワーでも時間経過とともに心拍数が上昇する現象)を観察でき、有酸素フィットネスの状態を把握する指標になります。

初心者向け:まずテンポゾーンの感覚を掴む基本の3本

テンポトレーニングが初めてであれば、まず76-85% FTPの基本テンポから始めて身体をZone 3の強度に慣らすことが大切です。以下の3本は構造がシンプルで、初めてでも完遂しやすい設計になっています。

Tempo #1(52分・IF 0.74)

98本の中で最も基本的なテンポワークアウトです。ウォームアップのあと、FTPの80-90%のテンポゾーンで漕ぐ区間と回復を繰り返す構成になっています。IF 0.74と控えめな強度で、テンポ走の「きつすぎないけれど楽でもない」感覚を初めて体験するのに最適です。

Zone 2のエンデュランスライドとの違いを身体で感じ取ることが、このワークアウトの最大の目的です。心拍計を併用すると、Zone 2では安定していた心拍数がテンポゾーンでじわじわと上がっていく変化を観察できます。

Tempo #3(62分・IF 0.79)

Tempo #1に慣れたら、次はIFが0.79に上がるTempo #3に進みます。76-91% FTPの幅広い強度帯を使い、ケイデンスも70-100rpmと大きく変化させるのが特徴です。

0.74から0.79へのIF上昇は数値上はわずかですが、ケイデンスの切り替えが加わることで体感的にはかなりの差があります。低ケイデンスの重いペダリングと高ケイデンスの軽い回転を交互に体験し、テンポゾーンでの多様な踏み方に慣れることが、中級者への入り口になります。

Varied Tempo #1(48分・IF 0.75)

一定強度のテンポ走に慣れてきたら、テンポゾーン内で強度が変動するバリエーションテンポに挑戦します。76%から85%の間で波を作るように強度が上下するため、単調さを感じにくく、実走のペース変化に近い体験ができます。

一定ペースだけでなく変動する強度に対応する力は、グループライドやレースで集団のペース変化についていくための基礎能力です。IF 0.75と全体の強度は控えめなので、初心者でも安心して取り組めます。

中級者向け:サブタイプの多様性を活かした実践4本

基本テンポを安定してこなせるようになったら、18種以上あるサブタイプの中からストレングス系やクライミング系に挑戦するフェーズです。テンポゾーンをベースにしながら、筋力やヒルクライム力といった+αの要素を鍛えていきます。

Strength Tempo #1(56分・IF 0.74)

低ケイデンスでテンポ走を行うストレングステンポです。通常のテンポ走では85-95rpmで回すところを、70-75rpm程度の低回転で行います。同じパワーでもケイデンスが低いとペダル1回転あたりのトルクが増すため、筋力への刺激が大きくなります。

パワーではなく「踏む力」を意識してペダリングするのがこのワークアウトのポイントです。実走でのヒルクライムやアタック後の重いペダリングに対応する脚の筋力基盤を構築できます。IFは0.74と控えめですが、低ケイデンスの負荷は数値以上に脚に効きます。

Tempo Climbing #1(1時間・IF 0.83)

ヒルクライムを模擬したテンポワークアウトです。10分間のFTP88%・75rpmから始まり、8分間のFTP80%・75rpm、さらにFTP98%やFTP105%まで段階的に強度が上がっていく構成で、長い登りの後半で強度が上がる実走のシチュエーションを再現しています。

ストレングステンポが「低ケイデンスの筋力」にフォーカスしているのに対し、テンポクライミングは「テンポ〜閾値を横断する持続力」がテーマです。IF 0.83とテンポカテゴリの中では高い強度設定なので、基本テンポを安定してこなせるようになってから挑戦するのが安全です。

Rolling Tempo #1(58分・IF 0.73)

うねるように強度が変化するローリングテンポです。テンポゾーンの下限付近から上限付近まで、波状に強度が上下する構成です。一定強度のテンポ走とは異なり、パワーの上げ下げを繰り返しながらテンポゾーン全体を使い切ります。

このワークアウトが実践的な理由は、実走でのアンジュレーション(起伏)対応力が鍛えられる点です。平坦なコースをイーブンペースで走る機会は限られており、実際のライドでは細かなアップダウンに合わせてパワーを調整し続ける必要があります。ローリングテンポはその調整能力をテンポゾーンの範囲内で安全にトレーニングする設計です。

Tempo-Surges #1(59分・IF 0.74)

テンポ走をベースにしながら、短い高強度サージを挟むワークアウトです。75-88% FTPのランプ式テンポの直前に、20秒間のFTP125%サージが入る構成です。

このワークアウトの狙いは、テンポペースの中で一時的にペースが上がった後、再びテンポゾーンに戻る回復力を鍛えることです。グループライドで誰かがペースを上げた際、反応した後にすぐ元のペースに戻れるかどうかは、まさにこの能力にかかっています。テンポ走の安定感とサージへの対応力を同時に養える、実戦移行に最適なワークアウトです。

上級者向け:ポガチャルのコーチ設計メニューを含む高強度3本

テンポの基礎が固まり、1時間のテンポ走を安定して完遂できるようになったら、テンポゾーンを超えた複合型やプロコーチ設計の高強度メニューにステップアップします。

Tadej’s Criss-Cross Tempo(34分・IF 0.75 / Long版 1時間43分・IF 0.82)★UAE Team Emiratesコラボ

タデイ・ポガチャルのコーチJavier Solaが設計した、UAE Team Emiratesコラボレーションワークアウトです。メインセットは2セット構成で、各セットで2回×1分間のFTP95%・100rpmサージと3分間のFTP80%・90rpmテンポを繰り返し、セット間には4分間のリカバリーが入ります。

このワークアウトの核心は「クリスクロス」という構造にあります。テンポゾーンの上部と閾値付近を行き来することで、乳酸が溜まりかけては処理される状態を繰り返し体験します。これはステージレース中の集団内でペースが上下する状況を再現したもので、WorldTourの選手がシーズン中に実際に行うトレーニングメソッドのひとつです。

通常版(34分・IF 0.75)とLong版(1時間43分・IF 0.82)の2バージョンが用意されています。Long版では3分間のFTP100%とFTP83%を交互に繰り返すブロックが3セットに拡張され、本格的な持久力テストになります。まずは通常版から始め、余裕が出てきたらLong版に挑戦するのが安全です。

High Torque Hills #1(55分・IF 0.76)

ハイトルクヒルズは、テンポカテゴリの中でも特にユニークな構成を持つワークアウトです。メインセットは5セットで構成され、各セットは4分間のFTP83%・ケイデンス70rpmと、1分間のFTP90-91%・ケイデンス95rpmを組み合わせています。

セット間には約3分間のレストがあり、最後にボーナスとしてFTP95%・90rpmで4分間のフィニッシュが入ります。

低ケイデンスの重いペダリングと高ケイデンスの軽い回転を交互に行うことで、異なる筋繊維の動員パターンを切り替える練習になります。クランクにかかるトルクを意識しながらペダリングすることで、ヒルクライムでの効率的なパワー発揮を体得できます。ストレングステンポの進化版として位置づけられるワークアウトです。

Torque Changers #1(59分・IF 0.81)

トルクチェンジャーズは、ケイデンスの切り替えを核としたテンポワークアウトです。IF 0.81とテンポカテゴリの中では高い強度に設定されており、テンポゾーンの上部からSweet Spot付近まで達する区間があります。

このワークアウトの特徴は、同じパワー帯でケイデンスを変化させることで、ペダリングの質そのものを鍛える点です。高ケイデンスではスムーズな回転技術が、低ケイデンスではトルクコントロールが求められます。レース中の状況変化に応じてペダリングスタイルを切り替える能力は、上級者にとって実戦力の大きな差になります。

MyWhooshテンポ全98本の分類と強度データ

98本のテンポワークアウトは、大きく8つのグループに分類できます。自分の目的に合ったグループから選ぶことで、効率的にトレーニングを進められます。

グループ本数IF範囲特徴
基本テンポ11本0.73-0.84テンポゾーンの基本、入門〜中級
バリエーションテンポ3本0.75-0.85テンポ内で強度が変動
ストレングス系(Strength/Low Cadence/Muscular)23本0.71-0.80低ケイデンス・筋力開発
クライミング系(Climbing/High Torque Hills)9本0.74-0.83ヒルクライム模擬
ローリングテンポ5本0.73-0.79波状の強度変化
サージ・スパイク系11本0.74-0.89テンポ+短い高強度刺激
エンデュランス系(Depleting/Strength Endurance)11本0.71-0.77長時間の筋持久力
特殊ワークアウト(Tri/Cadence/Zone系)25本0.66-0.93トライアスロン向け、ケイデンスドリル等

IFが0.66-0.77のワークアウトは初心者・ベーストレーニング向け、0.78-0.85は中級者の持久力強化、0.86以上は上級者のレース準備と考えると選びやすくなります。TSSは22-118の範囲で、その日のコンディションや週間の疲労管理に合わせて負荷を調整できます。

テンポワークアウトの効果を最大化する4つの実践ポイント

テンポとSweet Spotの違いを意識して使い分ける

テンポ(76-90% FTP)とSweet Spot(88-94% FTP)は強度帯が一部重なりますが、トレーニング目的は異なります。テンポは有酸素基盤の構築と長時間持続力に優れ、Sweet Spotは短時間での高いトレーニング効果が特徴です。週のトレーニング計画では、テンポを2-3回、Sweet Spotを1-2回という配分がバランスの良い組み合わせです。

心拍ドリフトをトレーニング効果の指標にする

テンポ走中に同じパワーを維持していても、30分を過ぎたあたりから心拍数が徐々に上昇する「心拍ドリフト」が発生します。この現象はカーディアックドリフトとも呼ばれ、有酸素フィットネスのレベルを測る指標として使えます。トレーニングを重ねるにつれてドリフト幅が小さくなっていけば、有酸素能力が向上している証拠です。

ERGモードの「スパイラル・オブ・デス」に備える

ERGモードでは設定パワーに対してケイデンスが下がるとトルクが増加し、さらにケイデンスが下がるという悪循環が発生することがあります。特にテンポ走の後半で疲労が蓄積した際に起きやすい現象です。ケイデンスが80rpmを下回り始めたら注意信号で、意識的にケイデンスを上げて立て直すことが重要です。

4-6週間ごとのFTP再測定を忘れない

テンポワークアウトの強度はFTPの76-90%として計算されるため、FTPが向上しているのに古い値のままでは強度が不足します。4-6週間ごとにMyWhooshのFTPテストを実施し、常に正確な強度でトレーニングすることが成長を持続させるカギです。

テンポワークアウトの選び方や進め方で迷いやすいポイント

98本もあるテンポワークアウトの中から何を最初に選べばよいか

テンポトレーニング未経験者はTempo #1(52分・IF 0.74)から始めるのが最も安全です。慣れてきたらTempo #3(62分・IF 0.79)に進み、その後はVaried TempoやStrength Tempoといったサブタイプへ広げていきます。目安として、あるワークアウトを2-3回こなして楽にクリアできるようになったら次のレベルに進むペースが適切です。

テンポ走とSweet Spotどちらを優先すべきか

トレーニング時間が限られている場合はSweet Spotが時間効率に優れています。一方で、週に3回以上トレーニングできる環境であれば、テンポ走でしっかり有酸素基盤を構築しつつSweet Spotを1-2回入れる方が、長期的なパフォーマンス向上に効果的です。テンポ走はSweet Spotよりも回復が早いため、翌日に高強度トレーニングを入れやすいという実用的なメリットもあります。

テンポ走中に指定パワーを維持できなくなったらどうすればよいか

メインセットの後半でパワーが維持できなくなる場合、主に2つの原因が考えられます。ひとつはFTP値が実際よりも高く設定されている場合で、FTPテストの再実施を検討してください。もうひとつは単純にテンポ走の持続力がまだ不足している場合で、より短いワークアウトやIFの低いメニューに戻って基礎を固めるのが効果的です。

ストレングステンポとテンポクライミングの違いは何か

どちらもテンポゾーンでのヒルクライム系ワークアウトですが、アプローチが異なります。ストレングステンポは低ケイデンス(70-75rpm)に焦点を当て、ペダル1回転あたりのトルクを高めることで筋力を鍛えます。テンポクライミングはケイデンスの指定は緩やかで、テンポゾーン上部でのパワー持続力を重視しています。筋力不足を感じるならストレングステンポ、ペース維持力を鍛えたいならテンポクライミングが適しています。

まとめ

MyWhooshのテンポカテゴリには、基本テンポからポガチャルのコーチ設計メニューまで98本のワークアウトが揃っています。すべてUAE Team EmiratesのWorldTourコーチ陣が設計した本格的なメニューであり、これが完全無料で使えるのは大きな価値です。

初心者はまずTempo #1(52分・IF 0.74)で基本のテンポゾーンを体験し、慣れてきたらStrength TempoやTempo Climbingで実戦的な持久力を鍛えます。上級者にはJavier Sola設計のTadej’s Criss-Cross TempoがWorldTourのトレーニングメソッドに触れられるおすすめの選択肢です。

まずはMyWhooshでFTPテストを行い、正確なFTP値を設定するところから始めてみてください。週2-3回のテンポセッションを継続すれば、4-6週間後のFTP再測定で有酸素基盤の成長を数値として確認できるはずです。

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