「ロードのパンク修理で手動ポンプを必死に漕ぐのに疲れた」「中華系の電動ポンプは安いけど、火災やサポートが心配」「無印のP-pumpを買いたいけど、空気圧が指定できないのが気になる」。
ライド中のパンクは時間も体力も削られる重大トラブルなので、空気を入れる作業は1秒でも短く、できれば数値を見ながら正確に決めたいところ。とはいえ電動ポンプ選びは、価格・重量・気圧プリセット機能・ブランド信頼性のどれを優先するかで結論が変わってしまいます。
そんなロード・グラベル・MTBユーザーに注目されているのが、パナレーサーが新たに投入したP-pump PRO(BEP-02B)です。140gのコンパクトボディに液晶ディスプレイとプリセット空気圧、自動停止機能を新搭載した、パナレーサー初の電動携帯ポンプの上位モデル。
この記事では、公式仕様、前モデル(無印P-pump)と比較したPRO固有の進化点、CYCPLUS AS2 ProやTrek Air Rushといった競合製品との違いを公式情報と各メディアの分析に基づいて解説します。
「液晶+自動停止」を新搭載した、パナレーサー初の電動携帯ポンプ上位機
パナレーサー(旧 ナショナルタイヤ)は、自転車用タイヤ・チューブ・ポンプの国内有力メーカーで、自転車本体ブランドではなくパーツ専業として長年タイヤ・チューブを供給してきた東京サンエス系列の企業です。フロアポンプの定番機(BFP-04AGA3など)は初心者の最初の1本として国内ショップで広く扱われており、純正部品供給と国内サポートの厚さが評価されています。
そのパナレーサーが2025年に初投入した電動携帯ポンプ「P-pump(BEP-01B)」の上位モデルとして登場したのが、今回紹介するP-pump PRO(BEP-02B)です。無印で要望が集中していた液晶ディスプレイ・空気圧プリセット・自動停止機能を新搭載し、出先でもフロアポンプ並みの精度で空気圧を管理できる仕様にアップデートされました。
P-pump PRO(BEP-02B)の基本スペック

P-pump PROの主な仕様を整理します。サイズ・重量は無印BEP-01Bと同一で、内部的に液晶基板とプリセット制御を組み込んだ筐体になっています。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 型番 | BEP-02B |
| サイズ | 70×56×31mm |
| 重量 | 140g(シリコンケース含む) |
| 設定空気圧 | 20〜830kPa(プリセット可) |
| 最大充填圧力 | 830kPa(約120psi) |
| バッテリー | リチウムイオン 450mAh / 7.4V / 3.33Wh |
| 充電方式 | USB-C(Type-C to C) |
| 充電時間 | 最大30分でフル充電 |
| 単発充填時間 | 700×28C(リム内幅19mm)で550kPa到達まで約60秒 |
| 1充電あたり充填本数 | 700×28C/550kPa:4本分、700×40C/300kPa:5〜6本分 |
| 対応バルブ | 仏式・米式(樹脂製バルブは延長ホース併用) |
| ディスプレイ | LED(プリセット圧力値とリアルタイム圧力を表示) |
| 自動停止 | 設定圧到達時に自動停止 |
| カラー | 黒 |
| 参考価格 | 13,750円(税込) |
付属品は本体(シリコンケース付き)、仏・米兼用ゴムパッキン(予備)、米式用口金ピン、防水バッグ、USB-C充電ケーブル、延長エアホース、本体側Oリング(予備)、ボール用アダプター、取扱説明書と一式そろいます。
液晶ディスプレイと20〜830kPaプリセットを支える3つの進化
P-pump PROの設計思想は「無印P-pumpで物足りなかった部分を、サイズと重量を増やさずに解決する」ことに集約されます。コアになる3つの進化を見ていきます。
LEDディスプレイによるリアルタイム圧力表示と自動停止

PROの最大の進化点が、本体上部に搭載されたLEDディスプレイです。プリセット圧力値(目標圧力)とリアルタイムの空気圧の両方を数値で表示し、設定した圧力に到達した時点で自動停止します。
これによって、出先のパンク修理でも「タイヤを指で押して固さで判断する」旧来の手感運用から脱却でき、フロアポンプと同じ感覚でロード(高圧)からグラベル・MTB(低圧)まで正確に空気圧を決められます。過充填による破裂やシーラント噴出のリスクも、自動停止が抑えてくれる安心感は大きいポイントです。
20〜830kPaの広いプリセット範囲
設定可能な空気圧は20kPaから830kPa(約120psi)まで。ロードバイクの高圧側もカバーしつつ、グラベル・チューブレスタイヤの低圧運用にも対応します。タイヤとリムの組み合わせごとに最適圧を細かく設定できるため、1本の電動ポンプで複数の自転車・複数のタイヤ規格を運用するライダーに向いた仕様です。
無印BEP-01Bは最大1,000kPaに対応していたものの圧力指定はできず、PROでは最大圧力が830kPaに変更された代わりに「数値で指定できる正確性」を取りに行った設計といえます。一般的なロードタイヤの推奨圧(580〜830kPa前後)であれば実用上の不便はありません。
USB-C 30分充電で4本分の連続充填
電源は450mAhのリチウムイオンバッテリーで、USB-C(Type-C to C)で最大30分のフル充電が可能。スマートフォンと同じ充電ケーブルで運用できるので、ライド先のホテルやカフェでも充電器を別に持ち歩く必要がありません。
公式公表値で、700×28C(リム内幅19mm)を550kPaまで充填する場合は1充電あたり4本分、700×40Cを300kPaまで充填する場合は5〜6本分。1本あたりの充填時間は約60秒なので、グループライドで複数人が連続でパンクするような事態にも対応できます。
P-pump PRO(BEP-02B)の口コミで評価されている点
PROは流通直後で個別レビューが蓄積する前のため、ここでは公式仕様と前モデル(無印BEP-01B)に共通する評価軸、各メディアでP-pumpシリーズが評価されているポイントを整理します。
パナレーサーブランドの安心感とサポート体制
電動ポンプ全般で繰り返し言及されているのが、中華系製品(約3,000〜5,000円)と国産ブランドの「火災リスク・初期不良時の窓口・部品供給」のギャップです。無印P-pumpの口コミでも「中国製は火災が心配だったが、パナレーサーなら安心」「メーカー相談窓口で対応してもらえる」と評価されており、価格差を払う合理性として日本ブランドの信頼性が支持されています。
PROも同じくパナレーサー製で国内流通・国内サポート前提なので、購入後の不安要素が少ないのは長期所有を前提にしたユーザーへの大きな安心材料です。
140gで携帯性とパワーを両立
サイズ70×56×31mm、重量140g(シリコンケース含む)という数値は、スマートフォンより軽くサドルバッグやジャージポケットにそのまま入る大きさ。携帯性を犠牲にすると「重くて結局持っていかない」という本末転倒が起きやすいので、この軽量さは電動ポンプを「常時携行する装備」として運用できるかどうかの分かれ目になります。
ギズモード・ジャパンのP-pumpレビューでも「iPhoneより軽い」「シリコンケースを着けても手のひらサイズ」と評価されており、PROは同じ筐体で液晶機能を追加した形です。
延長エアホース付属でTLR・樹脂バルブを保護
PROの公式が訴求するもう一つのポイントが、付属の延長エアホース。本体直結だとバルブに直接重量がかかり、TPUチューブの樹脂バルブや小径車(Brompton等)の取り付け角度で苦戦するケースに対応します。
さらにTLR(チューブレスレディ)タイヤに使用する場合、本体内部にシーラントが直接流入することを延長ホースが防いでくれるため、本体の長期耐久性にも貢献します。延長ホースを別売品扱いにする他社製品もあるなかで、はじめから付属しているのは地味ながら効くポイントです。
充実した付属品と防水バッグ

延長ホースに加え、シリコンケース(本体の発熱から手を守る)、防水バッグ(ライド中の水濡れ対策、完全防水ではない)、ボール用アダプター(球技にも転用可能)、予備のOリングとパッキンまでが標準付属。電動ポンプを運用するうえで「あとから買い足す消耗品」がほぼ最初からそろっており、自転車以外の家族の用途にも展開できる柔軟さがあります。
P-pump PRO(BEP-02B)の動作音や発熱は?気になるポイント
率直にお伝えすべきポイントもあります。PRO固有の長期レビューはまだ蓄積されていませんが、構造的に共通する無印BEP-01Bでの評価傾向から押さえておくべきポイントを挙げます。
モーター駆動音が大きめ
電動携帯ポンプ全般の特性として、モーター作動音は78〜80dB前後(一般的な掃除機相当)になります。ギズモード・ジャパンのP-pumpレビューでも「電動ドリル並み」「深夜の住宅街では使いづらい」とデメリットが明記されており、PROで静音化されたという公式アナウンスはありません。
対処法としては、自宅前や早朝深夜の住宅街では使わず、ライド中のパンク修理など緊急用途に絞るのが現実的。普段使いのフロアポンプは別途用意し、PROは「常時携行+緊急対応」のポジションで運用すると相性がよくなります。
連続使用で本体が高温になる
リチウムイオンバッテリーで小型モーターを高出力で回す構造上、連続使用で本体表面が高温化します。無印では複数のメディアやYouTube動画で「素手で持てないほど熱くなる」と報告されており、PROも同様と見ておく方が安全です。
そのため、付属のシリコンケースは「装着前提」の設計と捉え、ケースを外した状態での連続充填は避けるべきです。シリコンケースが本体保護と熱遮断の両方を担っているため、紛失したら早めに補修部品を入手しておくと安心できます。
最大圧力が無印より低い830kPa
無印BEP-01Bは最大1,000kPaまで対応していましたが、PROは最大830kPa(約120psi)に変更されています。一般的なロードタイヤの推奨圧(580〜830kPa)はカバーしているので実用上の不便は基本的にありませんが、レーシング用途で高圧運用をしているユーザーは事前に常用圧をチェックしておくと安全です。
最大圧力の引き換えに、PROは数値指定と自動停止という制御性の精度を取りに行った設計なので、「指定圧で正確に止めたい」のがニーズなら気にする必要はありません。
P-pump PRO・無印P-pump・CYCPLUS AS2 Proを比較
電動携帯ポンプの主要モデルを並べると、PROは「日本ブランド × 液晶搭載 × 中位価格帯」というポジションに位置します。
| 項目 | P-pump PRO(BEP-02B) | P-pump 無印(BEP-01B) | CYCPLUS AS2 Pro | Trek Air Rush |
|---|---|---|---|---|
| 参考価格(税込) | 13,750円 | 11,550円 | 15,500円 | 12,700円 |
| 最大気圧 | 830kPa(約120psi) | 約1,000kPa | 120psi(8.3bar) | 120psi(8.3bar) |
| 重量 | 140g | 140g | 140g(実測) | 132g |
| 液晶ディスプレイ | あり | なし | あり | あり |
| 空気圧プリセット | あり | なし | あり | あり |
| 自動停止 | あり | なし | あり | あり |
| 1充電あたり充填本数 | 700×28C/550kPaで4本分 | 約3本分 | 4本分 | 3本分 |
| 充電方式 | USB-C 30分 | USB-C 30分 | USB-C | USB-C |
| ブランド | パナレーサー(日本) | パナレーサー(日本) | CYCPLUS(中国) | Trek(米国) |
無印P-pumpとの違いは、最大圧力こそ低くなったものの「液晶+プリセット+自動停止」の3点が新搭載された上位モデルという位置付け。サイズと重量は同じなので、空気圧を数値で管理したいなら2,200円差でPROを選ぶ価値があります。
CYCPLUS AS2 Proとの比較では、PROの方が約1,750円安く、機能はほぼ同等。海外ブランドの安さと国内ブランドの安心感を比べる構図で、メーカー対応や日本語マニュアル・国内補修部品の供給を重視するならPROが選びやすい選択肢です。
Trek Air Rushは132gで8g軽量、価格も1,050円ほど安いものの、自転車ショップ専売色が強く取り扱い店が限られる点や、付属品(延長ホース等)の有無で運用感が変わります。「Amazonで買えてサポートも国内で完結する」という点は、P-pump PROの実用上のメリットといえます。
P-pump PRO(BEP-02B)の充電時間や対応バルブは?よくある質問
検索でよく見かける疑問を整理します。
P-pump PROと無印P-pump(BEP-01B)の違いは?
最大の違いは「液晶ディスプレイ・空気圧プリセット・自動停止機能の有無」です。サイズ70×56×31mm、重量140g、USB-C 30分充電、対応バルブ(仏式・米式)、付属品構成はほぼ共通で、PROは無印に空気圧の数値管理機能を追加した上位モデル。最大気圧は無印1,000kPaに対しPROが830kPaなので、レーシング用途で高圧運用をしているなら常用圧の確認が必要です。
英式バルブ(ママチャリ)には使える?
公式の対応バルブは仏式・米式です。英式バルブに直接装着する仕様にはなっていないため、ママチャリ用途で使う場合は仏式変換アダプター(英式→米式アダプターも一部互換)を別途用意する必要があります。スポーツバイク中心の用途を想定したモデルです。
充電1回でどのくらい使える?
公式公表値で、700×28C(リム内幅19mm)を550kPaまで充填する場合は1充電あたり4本分、700×40Cを300kPaまで充填する場合は5〜6本分です。1本あたりの充填時間は約60秒。USB-Cで最大30分のフル充電なので、ライド前夜にスマホと一緒に充電しておけば運用可能です。
TLR(チューブレスレディ)タイヤでも使える?
使えます。付属の延長エアホースを使用することで、本体内部にシーラントが直接流入することを防止する設計になっています。樹脂製バルブやTPUチューブを使う場合も、延長ホース経由での装着が公式の推奨方法です。
動作音はどのくらい?
公式に騒音値(dB)の記載はありませんが、構造的に共通する無印P-pumpでは複数のレビューで「電動ドリル並み」「掃除機相当(78〜80dB前後)」と報告されています。深夜・早朝の住宅街での使用は避け、ライド中のパンク対応など緊急用途を想定しておくと運用しやすい仕様です。
保証期間は?
メーカー公式サイトに具体的な保証期間の記載は確認できませんでした。購入時はAmazon・公式オンラインショップ・自転車専門店など、購入元の保証条件を必ず確認することをおすすめします。
BEP-02Bの最安値と購入先
P-pump PRO(BEP-02B)の参考価格は税込13,750円(公式)。Amazonでは取得時点で11,325円前後の実売価格になっており、公式定価から約17%引きで購入できます。
楽天市場・Yahoo!ショッピングでは自転車専門店経由の取り扱いが中心で、ポイント還元やクーポンの組み合わせで実質価格が変動します。Amazonはパナレーサー公式ストアでの取り扱いがあり、Prime対応で配送が早く保証窓口が明確なのが強み。流通直後のため在庫状況や価格は変動するので、最新の価格はリンク先で確認してください。
まとめ
P-pump PROは、パナレーサー初の電動携帯ポンプ「P-pump」に液晶ディスプレイ・空気圧プリセット・自動停止機能を新搭載した上位モデル。140gの携帯性とUSB-C 30分充電を継承しつつ、20〜830kPaの数値指定で出先でもフロアポンプ並みの精度で空気圧を管理できる仕様です。
国内ブランドの安心感とサポート、延長エアホースを含む充実した付属品、CYCPLUSやTrekと同等の機能を1,000〜2,000円安く手に入るコストパフォーマンスがPROの強み。一方で、モーター駆動音は掃除機相当で深夜の住宅街には不向き、連続使用で本体が高温化するためシリコンケース装着が前提、最大気圧は無印より低い830kPaという点は購入前に押さえておきたい部分です。
ロード・グラベル・MTBで「常時携行できる電動ポンプを1台持ちたい」「中華系の不安を避けて日本ブランドで決めたい」「液晶で空気圧を数値管理したい」という方に向いた製品です。逆に、自宅で毎日使うフロアポンプを探している方や、レーシング用途で900kPa超の高圧運用が必須の方には別の選択肢が向いています。
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