「夜にZwiftしたいけど、変速音がうるさくて家族に気を使う…」
「マンションだから、ガチャガチャ音が階下に響いてないか心配…」
「子供が寝た後にトレーニングしたいのに、音で起こしてしまいそう…」
Zwiftでトレーニングしている方なら、こういった悩みを抱えたことがあるんじゃないでしょうか。スマートトレーナーの性能が上がっても、変速時の「ガチャン」という音や、チェーンの駆動音って意外と響くんですよね。
そこで注目したいのが、Zwift Cog and Click(ズイフト コグ アンド クリック)です。物理的な変速をなくし、完全にバーチャルでギアチェンジを行うこのシステム。騒音問題を根本から解決できると、多くのZwiftユーザーから高い評価を得ています。
この記事では、Zwift Cog and Clickの仕組みから、メリット・デメリット、対応機種、セットアップ方法まで、導入を検討している方が知りたい情報を詳しく解説します。
Zwift Cog and Clickとは?仕組みをわかりやすく解説
Zwift Cog and Clickは、従来のカセット(スプロケット)を使った物理的な変速システムに代わる、バーチャルシフティングシステムです。Zwiftが開発したこの仕組みは、スマートトレーナーの負荷調整機能を活用して、仮想的にギアチェンジを実現します。
Zwift Cog(コグ)の役割
Zwift Cogは、通常のカセット(複数のギアが連なったスプロケット)の代わりに取り付ける14Tのシングルスプロケットです。
従来のカセットでは、変速時にチェーンが隣のギアに移動するため「ガチャン」という音が発生します。しかしZwift Cogはギアが1枚だけなので、チェーンは常に同じ位置。物理的な移動がないため、変速音が一切発生しません。
また、チェーンラインが常に真っ直ぐに保たれるため、斜めがけによる「チャラチャラ」という駆動音も大幅に軽減されます。
Zwift Click(クリック)の役割
Zwift Clickは、ハンドルバーに取り付けるワイヤレスコントローラーです。シフトレバーの代わりに、このボタンでギアの上げ下げを行います。
Bluetooth接続でZwiftアプリと通信し、ボタンを押すとZwift内のギアが変わる仕組みです。2025年9月にリリースされた最新のClick V2では、ステアリング操作やメニュー操作、Ride Onの送信なども可能になっています。
バーチャルシフティングの仕組み
仕組みはシンプルです。Zwift Clickでギアを変更すると、その情報がZwiftアプリに送信されます。Zwiftアプリは選択されたギア比に応じて、スマートトレーナーの負荷を自動調整。これにより、実際にギアを変えたかのような負荷変化を体感できます。
ギア構成は24速のプリセットが用意されており、ギア比は0.75〜5.49の範囲。実際のロードバイクで使用するギア比をカバーしているため、違和感なくトレーニングできます。
Zwift Cog and Clickの基本スペック

| 項目 | Zwift Cog | Zwift Click |
|---|---|---|
| 形状 | 14T シングルスプロケット | ワイヤレスコントローラー |
| 重量 | 140g | 51g |
| サイズ | 103mm × 42mm | 47mm × 47mm × 13mm |
| 電源 | 不要 | CR2032電池(約100時間) |
| 通信方式 | なし | Bluetooth |
| 互換性 | Shimano/SRAM フリーハブ対応 | 各種ハンドルバー対応 |
アップグレードキットには、Zwift CogとZwift Clickが同梱されています。取り付けに必要な工具(スプロケット外し、ロックリング回し)は別途用意が必要です。
Zwift Cog and Clickが評価されている理由
完全無音の変速が実現する
Zwift Cog and Clickの最大の特徴は、変速時に一切音が出ないことです。
従来の変速システムでは、ディレイラーがチェーンを隣のギアに押し出すため、どうしても「ガチャン」という金属音が発生します。夜間や早朝のトレーニングでは、この音が家族の睡眠を妨げたり、集合住宅では階下への騒音になったりする心配がありました。
バーチャルシフティングでは物理的なチェーン移動がないため、変速音はゼロ。レビューでは「生後数ヶ月の赤ちゃんが隣の部屋で寝ていてもトレーニングできるようになった」という声も見られます。
駆動音も大幅に軽減される
変速音だけでなく、走行中の駆動音も静かになります。
通常のカセットでは、インナー×トップやアウター×ローなど、チェーンが斜めにかかる組み合わせで「チャラチャラ」という音が出やすくなります。Zwift Cogではチェーンラインが常に真っ直ぐなため、この駆動音が大幅に軽減されます。
メーカー情報によると、150W/25km/hで走行時に約58〜59デシベル、スプリント時でも62〜63デシベル程度まで騒音が抑えられるとされています。
チェーンやスプロケットの摩耗が減る
チェーンラインが常に最適な状態に保たれるため、チェーンやスプロケットの摩耗が軽減されます。
従来のシステムでは、斜めがけの状態でペダリングするとチェーンに余計な負荷がかかり、寿命が短くなりがちでした。Zwift Cogなら真っ直ぐなチェーンラインが維持されるため、パーツの交換頻度を減らせる可能性があります。
複数のバイクでも同じ変速感で使える
8〜12速のほぼすべてのバイクに対応しているため、複数台のバイクを使い分けている方にも便利です。
実際のギア構成が異なるバイクでも、Zwift上では同じ24速のプリセットが使用されます。トレーニング用バイクとレース用バイクでコンポーネントが異なっていても、Zwift内では統一された変速感でトレーニングできます。
気になる点・注意点
変速の遅延は慣れが必要
バーチャルシフティングの仕組み上、変速の反映には1〜2秒程度のタイムラグがあります。
物理的な変速では「ガチャン」と即座にギアが変わりますが、バーチャルシフティングではZwiftアプリを経由してトレーナーの負荷が変更されるため、わずかな遅延が発生します。
レビューでは「焦って数段シフトしてしまうと、とんでもなく重いギアを踏むことになる」という指摘もあります。慣れるまでは、少し早めにシフト操作を行う意識が必要かもしれません。
Zwift専用である点
現時点では、Zwiftアプリでのみ使用可能です。
RouvyやTrainerRoad、Indieveloなど他のバーチャルサイクリング・トレーニングアプリでは、バーチャルシフティング機能は使用できません。Zwift以外のアプリをメインで使用している方には向いていません。
ただし、Zwift Cogを取り付けた状態でも、通常のスマートトレーナーとして他のアプリで使用することは可能です。その場合はシングルギア固定での走行になります。
対応機種が限定的
Zwift Cog and Clickは、すべてのスマートトレーナーで使用できるわけではありません。
対応トレーナー(アップグレードキット対応):
| メーカー | 対応機種 |
|---|---|
| Wahoo | KICKR V6, KICKR CORE, KICKR CORE 2, KICKR MOVE |
| Elite | DIRETO XR(専用モデル) |
| Garmin/Tacx | 一部機種 |
| JetBlack | 一部機種 |
お使いのトレーナーが対応しているかどうか、購入前に必ず確認してください。
機械式変速との感覚の違い
バーチャルシフティングは、機械式変速の「ガツン」とした切り替わり感とは異なります。
負荷が滑らかに変化するため、「シフトした」という手応えが薄いと感じる方もいます。実走とは異なる感覚のため、最初は違和感を覚えるかもしれません。ただし、多くのレビューでは「慣れれば問題ない」「むしろスムーズで快適」という評価が多く見られます。
Zwift Cog and Clickのセットアップ方法
Zwift Cogの取り付け手順
Zwift Cogの取り付けは、通常のカセット交換と同様の手順です。
まず、既存のカセットを取り外します。スプロケット外しとロックリング回しを使用して、カセットをフリーハブから外します。次に、Zwift Cogをフリーハブに装着します。
注意点として、締め付けトルクは5N・mと指定されています。通常のカセット(30〜50N・m)と比べてかなり緩めなので、締めすぎないよう注意が必要です。
チェーンライン調整のコツ
Zwift Cogには10段階のオフセット調整機構が備わっています。バイクのフレームやチェーンリングの位置に合わせて、チェーンラインを最適化できます。
取り付け後にペダリングしてみて、チェーンから異音がする場合は、オフセット位置を調整してください。公式のチュートリアル動画を参考にすると、スムーズに設定できます。
Zwift Clickのペアリング設定
Zwift ClickはBluetooth接続でZwiftアプリとペアリングします。
Zwift Companionアプリ、またはZwiftゲーム内の「Settings」→「Hardware」からペアリング設定が可能です。ギアレンジの設定(Flatモードなど)や、シフティングスタイル(Sequential、SRAM Styleなど)も選択できます。
Zwift Click V2の進化ポイント(2025年最新)
2025年9月にリリースされたZwift Click V2では、いくつかの機能が強化されています。
V1との違い
Click V1は1つのユニットでしたが、V2では2つのクリックユニットになりました。これにより、以前は別売りだったZwift Playコントローラーの機能が統合されています。
ステアリング操作、メニューナビゲーション、Ride Onの送信など、Zwift内の操作をハンドルバーから行えるようになりました。
対応ハンドルバーの拡大
V1はドロップバー専用でしたが、V2ではフラットバーやエアロバーにも対応しています。ロードバイクだけでなく、クロスバイクやTTバイクでも使用可能になりました。
購入前によくある質問
どこで買える?購入方法
Zwift Cog & Click アップグレードキットは、以下で購入可能です。
販売価格の目安:
国内での購入は、サイクルショップやAmazonが便利です。在庫状況によって価格が変動することがあるため、複数の販売店を比較することをおすすめします。
まとめ:静かなZwift環境を手に入れよう
Zwift Cog and Clickは、バーチャルシフティングによって「完全無音の変速」と「駆動音の軽減」を実現するアップグレードキットです。
夜間や早朝にトレーニングしたい方、集合住宅で騒音が気になる方、家族が寝ている時間帯にZwiftを楽しみたい方には、まさに待望のソリューションといえます。チェーンやスプロケットの摩耗軽減によるランニングコストの削減も、長期的なメリットとして見逃せません。
一方で、変速に1〜2秒のタイムラグがあること、Zwift専用であること、対応機種が限られることは事前に理解しておく必要があります。
KICKR V6やKICKR COREなど対応トレーナーをお持ちで、Zwiftをメインで使用している方なら、導入を検討する価値は十分にあります。逆に、Zwift以外のアプリをメインで使う方や、対応機種以外のトレーナーをお持ちの方には向いていません。
静かなトレーニング環境を求めている方は、ぜひZwift Cog and Clickの導入を検討してみてください。
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