Zwiftでのトレーニング、楽しんでいますか? バーチャル空間で世界中のサイクリストと一緒に走れるZwiftは、モチベーションを高く保ちながらトレーニングできる素晴らしいプラットフォームです。
「もっと速くなりたい」「レースで結果を出したい」「坂を楽に登れるようになりたい」
もしあなたがそう考えているなら、Zwiftの「インターバルトレーニング」に挑戦してみませんか?
「インターバルってキツそう…」「どんな効果があるの?」「どのメニューを選べばいい?」
そんな疑問を持つ方のために、この記事ではZwiftのインターバルトレーニングで具体的にどんな能力が鍛えられ、どのように実践すれば効果的なのか、そしておすすめのワークアウトメニューまで、分かりやすく徹底解説します。
この記事を読めば、あなたもZwiftインターバルを活用して、ロードバイクのパフォーマンスを飛躍的に向上させるヒントが見つかるはずです。
そもそもインターバルトレーニングとは?
インターバルトレーニングとは、高い強度の運動(頑張る時間)と、低い強度の運動または完全な休息(休む時間)を意図的に繰り返すトレーニング方法です。
全力疾走とその後の休憩を繰り返すようなイメージですね。この「頑張る・休む」のメリハリによって、短時間でも心肺機能や筋肉に効率的に刺激を与え、持久力やスピードに関わる様々な能力を向上させることができます。
なぜZwiftでのインターバルが効果的なのか?
自宅にいながら本格的なインターバルトレーニングができるZwiftには、以下のようなメリットがあります。
- ERGモードが超便利!:
- スマートトレーナーの「ERGモード」を使えば、Zwiftが自動で負荷を調整してくれます。これにより、「頑張る時間」に設定したパワー値を維持しやすくなり、質の高いトレーニングが可能です。「キツくて踏めない…」という時も、サボることなく(笑)目標パワーを維持しようと頑張れます。
- モチベーション維持:
- 単調になりがちなインターバルも、Zwiftならバーチャルコースの景色や他のアバターの存在、ゲーム的な要素で楽しく続けられます。達成感も得やすいです。
- 豊富なワークアウトメニュー:
- Zwiftには、FTP向上、VO2max向上など、目的に合わせた膨大な数のワークアウトメニューが用意されています。自分でメニューを考える手間が省け、すぐにトレーニングを始められます。
- データ管理と可視化:
- トレーニング結果は自動で記録・分析され、パワー、心拍数、ケイデンスなどのデータを確認できます。自分の成長が目に見える形で分かるので、モチベーションアップに繋がります。
【本題】Zwiftインターバルトレーニングで鍛えられる主要な能力5選
では、具体的にZwiftのインターバルトレーニングでどんな能力が鍛えられるのでしょうか? 主な5つの能力を見ていきましょう。
1. FTP (Functional Threshold Power) : 持久力の基盤
FTPは「Functional Threshold Power」の略で、あなたが1時間持続できる最大の平均パワーのことです。FTPが高いほど、高い強度を長く維持できる、つまり持久力のベースが高いことを意味します。ヒルクライムやタイムトライアル、長距離レースなど、多くの場面で重要になる指標です。
なぜインターバルで向上する?
SST(Sweet Spot Training)や閾値(Threshold)付近でのインターバルは、筋肉がエネルギーを生み出す能力(ミトコンドリアの活性化など)や、疲労の原因となる乳酸を除去する能力を高めます。これにより、より高いパワーを長時間維持できるようになり、FTPが向上します。
2. VO2max (最大酸素摂取量) : 高強度パフォーマンスの鍵
VO2maxは「最大酸素摂取量」のことで、運動中に体が取り込んで利用できる酸素の最大量を示します。この値が高いほど、高強度での運動能力、特に短い坂でのアタックや、レース中のペースアップへの対応力が高まります。
なぜインターバルで向上する?
VO2maxを向上させるには、心臓や肺に最大の負荷をかける必要があります。3分~5分程度の高強度インターバルは、心拍数を最大近くまで追い込み、心肺機能を効果的に刺激します。これにより、酸素をより多く体に取り込み、筋肉へ送り届ける能力が高まります。
3. 無酸素運動能力 (Anaerobic Capacity) : スプリント・アタック力
無酸素運動能力とは、酸素を使わずに短時間で爆発的なパワーを生み出す能力のことです。ゴール前のスプリント、短い急坂でのアタック、集団から飛び出す動きなど、勝負どころで力を発揮するために不可欠な能力です。
なぜインターバルで向上する?
数十秒程度の全力に近い、非常に短いインターバルは、酸素供給が追いつかない状況でエネルギーを生み出す「解糖系」という仕組みを強化します。これを繰り返すことで、短時間で大きなパワーを発揮する能力や、それを繰り返す能力が向上します。
4. 疲労耐性 (Repeatability) : レース後半の粘り
レースや厳しいライドでは、何度もアタックがかかったり、ペースが上がったり下がったりします。このような高強度の動きを繰り返した後でも、どれだけパフォーマンスを維持できるかが「疲労耐性」や「リピータビリティ」と呼ばれる能力です。
なぜインターバルで向上する?
インターバルトレーニングは、高強度運動とその後の回復を繰り返す中で、疲労物質への耐性や、短い回復時間で素早く回復する能力を高めます。これにより、レース後半でもうひと踏ん張りできる粘り強さが身につきます。
5. ペダリング効率 : 無駄のないスムーズな走り
インターバルトレーニングは、パワーだけでなくペダリングスキルの向上にも繋がります。
なぜインターバルで向上する?
特にERGモードでのトレーニング中は、目標パワーを維持するために、ある程度スムーズで効率的なペダリングが求められます。高ケイデンスを意識したり、左右のバランスを考えたりしながらインターバルをこなすことで、無駄な力のロスが少ない、効率的なペダリングフォームが身についていきます。効率が上がれば、同じパワーをより少ない力で出せるようになり、疲労軽減にも繋がります。
効果を最大化!Zwiftインターバルトレーニングの実践方法
せっかくインターバルトレーニングを行うなら、効果を最大限に引き出したいですよね。以下のポイントを押さえましょう。
1. 目標に合ったワークアウトを選ぶ
Zwiftには膨大なワークアウトがあります。まずは自分が何を強化したいのか(FTP?VO2max?スプリント?)を明確にし、ワークアウトライブラリのフィルター機能(時間、強度ゾーン、目的など)を活用して、目的に合ったメニューを選びましょう。
2. 正確なFTP設定が不可欠
インターバルトレーニングの負荷は、基本的にFTP(Functional Threshold Power)を基準に設定されます。FTPが不正確だと、負荷が軽すぎて効果が薄れたり、逆に重すぎて完遂できなかったりします。定期的にZwift内のFTPテスト(Ramp TestやFTP Test (20min)など)を実施し、最新のFTP値を設定しておくことが非常に重要です。
3. トレーニング頻度と休息のバランス
インターバルトレーニングは体に大きな負荷がかかるため、やりすぎは禁物です。週に1~3回程度を目安にし、自分の体力レベルや他のトレーニングとのバランスを考えましょう。トレーニングと同じくらい、十分な睡眠と休息が重要です。疲労が溜まっていると感じたら、無理せず休息日を設けましょう。オーバートレーニングは逆効果です。
4. ウォームアップとクールダウンを忘れずに
怪我の予防とパフォーマンス向上のために、トレーニング前には必ず10~15分程度のウォームアップを行い、体を温めましょう。トレーニング後も、5~10分程度の軽いクールダウンを行うことで、疲労回復を促進します。Zwiftのワークアウトメニューには、通常ウォームアップとクールダウンが含まれています。
5. 栄養補給と水分補給
トレーニング前にはエネルギー源となる糖質を、トレーニング後には筋肉の修復を助けるタンパク質と糖質を摂取することを意識しましょう。また、インドアトレーニングは想像以上に汗をかくため、こまめな水分補給も非常に重要です。ボトルを手元に用意し、トレーニング中も積極的に水分を摂りましょう。
【レベル別】おすすめZwiftインターバルワークアウト例
ここでは、レベル別にいくつか代表的なワークアウトを紹介します。Zwift内でこれらの名前を検索してみてください。
初心者向け:まずはインターバルに慣れよう
インターバル未経験の方や、まだ体力に自信がない方は、比較的負荷が低め、または持続時間が短めのメニューから始めましょう。
SST (Short)

FTP向上の基礎となるSST(スイートスポット)領域でのトレーニング。比較的快適にこなせる強度で、持久力アップの第一歩に。
The Gorby

5分間のFTP付近での維持と5分間の回復を繰り返す、VO2max刺激の入門編。
中級者向け:FTP・VO2maxを本格強化
トレーニングに慣れてきて、さらにパフォーマンスアップを目指す方向けのメニューです。
VO2max Intervals (例: 30/30s, 3-5min intervalsなど)


短い高強度と回復を繰り返すものや、数分間の高強度走など、VO2maxを効果的に刺激する様々なバリエーションがあります。
Over-Unders

FTPより少し高い強度と少し低い強度を繰り返すトレーニング。乳酸除去能力を高め、FTP向上やレースでのペース変化への対応力を養います。
上級者向け:さらなる高みへ
より高いレベルを目指す、経験豊富なサイクリスト向けのキツいメニューです。
The Wringer

短い全力スプリントと不完全な回復を繰り返し、無酸素運動能力とVO2maxを極限まで追い込みます。名前の通り、絞られるようなキツさです。
Micro Burst Intervals

15秒程度の非常に短い高強度インターバルを繰り返します。スプリント力や急加速への対応力を鍛えます。
安全に、そして楽しく続けるために
最後に、インターバルトレーニングを安全に、そして長く続けるための注意点とコツをお伝えします。
トレーニング中の注意点
- 体調管理:
- 少しでも体調が悪いと感じたら、無理せずトレーニングを中止または延期しましょう。
- ERGモードの特性理解:
- ERGモード中は、ケイデンスが落ちると負荷が急激に重く感じます。目標パワーを維持しやすいケイデンスを意識しましょう。
- 冷却:
- インドアトレーニングは非常に暑くなります。扇風機を活用し、体をしっかり冷却しましょう。脱水やオーバーヒートを防ぎます。
- バイクフィッティング:
- 長時間同じ姿勢で高強度を出すこともあるため、体に合ったバイクポジションは重要です。痛みがある場合は見直しましょう。
モチベーション維持・継続のコツ
- 目標設定:
- 「次のレースで〇〇位以内」「FTPを〇〇W上げる」など、具体的な目標を設定するとモチベーションに繋がります。
- 記録と振り返り:
- Zwiftは自動で記録してくれますが、トレーニング日誌をつけたり、Stravaなどのアプリと連携したりして、自分の成長を確認しましょう。
- 仲間と走る:
- Zwiftのグループワークアウトやミートアップ機能を使って仲間と一緒に走れば、キツいトレーニングも乗り越えやすくなります。
- エンタメ活用:
- 好きな音楽を聴いたり、動画を見たりしながら行うのも気分転換になります。
- 変化をつける:
- いつも同じメニューだと飽きてしまうことも。色々な種類のワークアウトに挑戦してみましょう。
まとめ:Zwiftインターバルで効率的に強くなろう!
Zwiftのインターバルトレーニングは、
- FTP (持久力の基盤)
- VO2max (高強度パフォーマンス)
- 無酸素運動能力 (スプリント・アタック力)
- 疲労耐性 (レース後半の粘り)
- ペダリング効率
といった、ロードバイクのパフォーマンス向上に欠かせない能力を、自宅にいながら効率的かつ楽しく鍛えることができる優れた方法です。
正確なFTP設定のもと、自分の目標とレベルに合ったワークアウトを選び、適切な頻度と休息、栄養補給を心がけることで、その効果を最大限に引き出すことができます。
さあ、あなたもZwiftのインターバルトレーニングに挑戦して、新しい自分の可能性を見つけてみませんか? まずは無理のない範囲で、気になるワークアウトから試してみてください!