FTPを向上させるため、数ヶ月かけて体系的に進める「FTP Builder」プログラム。3週目まで進む中で、Garminのトレーニングステータスが「アンプロダクティブ」と表示される場面がありました。しかし、これは焦る必要のない状況です。

FTP Builderは、トレーニング強度が週を追うごとに徐々に上がる設計になっていますが、最終的な強度もThreshold(閾値)までに抑えられています。また、プランには毎週1回スプリントトレーニングが組み込まれ、適度な高強度セッションも含まれています。このプランの意図を理解し、長期的な視点で土台をしっかり作ることが目標です。「アンプロダクティブ」という表示に一喜一憂せず、プランを信頼して進めていきましょう。
FTP Builderの特徴と現在のフェーズ
FTP Builderは、以下のようなフェーズに分かれています
- 土台作り(Base Phase)
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- 低~中強度のトレーニングを中心に、持久力や筋持久力を着実に向上させる時期。
- 心肺機能や筋力を高めるための土台作りがメイン。
- 週1回のスプリントトレーニングを取り入れ、負荷のバランスを調整。
- 中盤から後半(Build Phase & Peak Phase)
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- 週を追うごとに徐々に強度が上がり、持久力と効率がさらに向上しますが、最大強度はThreshold(FTP)まで。
- VO2maxや長時間の超高強度トレーニングは含まれませんが、必要な刺激を適切な範囲内で与えます。
現在は「土台作り」のフェーズであり、焦ってプランにないトレーニングを追加するのは得策ではありません。この段階で基礎をしっかり作ることで、後半のよりチャレンジングなセッションを効果的に進められるようになります。
3週目のトレーニング内容を振り返る
以下は3週目のトレーニング内容です。振り返ることで、プランの意図を改めて確認しましょう。
ワークアウト時間:54分

- 内容
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73% FTPを基準に、70rpm(低回転)から100rpm(高回転)まで、ケイデンスを大きく変化させながらインターバルを繰り返します。
- 目的
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有酸素運動の基礎能力を構築します。また、様々なケイデンスに身体を慣れさせ、いかなる状況でもスムーズで効率的なペダリングができるようにするのが狙いです。
ワークアウト時間:58分10秒

- 内容
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160% FTPでの10秒間の全力スプリントと、1分50秒の回復走を何度も反復。短時間の爆発的な出力と回復を繰り返す構成です。
- 目的
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心肺機能よりも、加速やアタックに必要な速筋繊維を最大限に動員することが目的。神経と筋肉の連携を強化し、瞬発的なパワー向上を狙います。
ワークアウト時間:58分

- 内容
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73% FTPを基準に、90rpm以上の高回転域でのインターバルを繰り返します。Day1よりも高いケイデンスでのペダリングに重点を置きます。
- 目的
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有酸素能力の基礎を維持しつつ、よりレースに近い高ケイデンスでのペダリング技術を養成。高速巡航時でもフォームが乱れない、安定したパワー伝達を目的とします。
ワークアウト時間:1時間22分

- 内容
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88% FTP(SST)と100% FTP(閾値)という、2つの異なる高強度領域を組み合わせた複合的なインターバルメニューです。
- 目的
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FTPを直接引き上げる領域と、乳酸除去能力を高める領域の両方を刺激。実践的なペース変化への対応力と、高い出力を維持する能力を養います。
「アンプロダクティブ」に惑わされないために
Garminのトレーニングステータスで「アンプロダクティブ」と表示されると、進捗がないように感じられるかもしれません。しかし、これは必ずしもトレーニングが間違っているという意味ではありません。
「アンプロダクティブ」の背景
Garminが「高強度負荷の不足」と判断する場合、VO2maxやスプリントなどの超高強度トレーニングが不足している可能性があります。
FTP Builderには毎週1回のスプリントが含まれているため、適切な刺激は与えられているものの、全体的なプログラムの中では高強度トレーニングの割合が少ないことが理由かもしれません。
しかし、この表示は現在のフェーズにおいては想定内のことです。
解決策:プランを信じて継続する
トレーニングステータスはあくまで参考情報であり、プラン全体の進行を妨げるものではありません。
プログラムに忠実に従うことで、長期的な成果を得ることができます。
今後の方針と意識すべきポイント
プランの意図を尊重し、自分を信じる
FTP Builderのような体系的なプログラムは、専門家が長期的な成長を見越して設計したものです。短期的なデバイスの評価に振り回されず、「今は土台を作っているんだ」と自分自身に言い聞かせ、プログラムを信じて進めましょう。
焦らず基礎を固めることの重要性
この土台作りフェーズで持久力や筋持久力をしっかり強化することが、後半のトレーニングで高い効果を得るための鍵となります。ここで無理に高強度トレーニングを追加すると、過度な疲労を招き、むしろ逆効果になる可能性が高いです。
適切なリカバリーを意識する
地道なトレーニングが続く時期は、知らないうちに疲労が蓄積します。質の高い睡眠、バランスの取れた栄養、トレーニング後のストレッチなどを丁寧に行い、体を労ってあげましょう。
まとめ
FTP Builder 3週目では、プランに沿った低~中強度のトレーニングを中心に取り組みました。さらに、毎週1回のスプリントトレーニングで筋肉に刺激を与えつつ、全体のバランスを取っています。「アンプロダクティブ」と表示されても、それはプログラム全体の進行における正常な段階であり、焦る必要はありません。
FTP Builderは、最終的にThreshold(閾値)での持久力を最大化することを目指したプランです。長期的な視点で基礎をしっかり作ることで、後半のフェーズでの成果につながっていきます。
コツコツと積み上げる努力が、最終的に目標達成への道を切り開きます。焦らず、プランを信じて進めていきましょう!