Zwiftを使っていて、「もっと速くなりたい」「FTPを効率的に上げたい」と思っている方は多いのではないでしょうか?
FTP(Functional Threshold Power)は、1時間持続できる限界パワーの指標であり、ロードバイクのパフォーマンスを測る上で非常に重要です。
ZwiftにはFTP向上を目的とした魅力的なトレーニングプランがたくさん用意されていますが、選択肢が多いために「自分にはどれが合っているのだろう?」と悩んでしまうこともあるでしょう。
この記事では、ZwiftでFTP向上を目指すすべてのライダーのために、主要なトレーニングプランを徹底比較し、それぞれのプランの特徴から、あなたに最適なプランを選ぶための具体的なポイントまで、分かりやすく解説していきます。
なぜZwiftトレーニングプランでFTP向上を目指すのか?
自己流でトレーニングするよりも、Zwiftのトレーニングプランを活用することには多くのメリットがあります。
- 構造化された効率的なトレーニング
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多くのプランはトレーニング科学に基づいて設計されており、FTPを刺激するための最適な負荷と回復のバランスが考慮されています。これにより、限られた時間でも効率的にレベルアップを目指せます。
- 明確な目標と進捗管理
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プランには期間と達成目標があり、日々のワークアウトをこなすことで進捗が可視化されます。「今日はこれをやる」という明確な指示があるため、迷わずトレーニングに集中できます。
- モチベーションの維持
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多様なワークアウトメニューが用意されているため、インドアトレーニング特有の単調さを感じにくく、飽きずに継続しやすい工夫がされています。
- 専門知識がなくても安心
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トレーニング理論に詳しくなくても、プランの指示に従うだけで、質の高い練習を積むことが可能です。
FTP向上に繋がるZwiftトレーニングプランの選び方【重要ポイント】
自分にぴったりのトレーニングプランを見つけるために、以下の点を考慮して選びましょう。
- 現在のフィットネスレベルとFTP
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まずは自分の現在地を知ることが重要です。ZwiftのFTPテスト(Ramp Testや20min Testなど)を受けて、現在のFTPを把握しましょう。プランには初心者向けから上級者向けまで様々なレベルがあります。
- トレーニングに割ける時間
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週に何日、1回あたりどれくらいの時間をトレーニングに充てられるかを確認します。プランによって、週のトレーニング回数や1回あたりの所要時間、プラン全体の期間(週数)が異なります。
- トレーニングの主目的
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「純粋にFTPの数値を上げたい」「FTPだけでなく登坂力やスプリント力も含めて総合的に強化したい」「特定のレースに向けて調整したい」など、具体的な目標によって選ぶべきプランは変わってきます。
- 好みの強度や内容
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毎日厳しいワークアウトをこなしたいか、回復日を挟みながら進めたいか。インターバルの種類や構成など、内容の好みも継続のためには意外と重要です。
【徹底比較】FTP向上におすすめのZwift主要トレーニングプラン
ここでは、FTP向上を主目的、あるいは副次的な効果として期待できるZwiftの人気トレーニングプランを、まずは比較表でざっくりと見てみましょう。(※期間や内容は変更される可能性もありますので、最新情報はZwiftアプリ内でご確認ください。)
プラン名 | 主な対象 | 期間(目安) | 主な焦点 | 特徴・注意点 |
---|---|---|---|---|
FTP Builder シリーズ | 初心者、基礎固め | 4-6週間程度 | FTP基礎、スイートスポット導入 | 無理なく開始、習慣化向き、大幅向上より土台作り |
Build Me Up | 中級者以上、総合力UP | 10-12週間程度 | FTP・VO2Max・筋力など多様 | バランス良いが負荷高め、時間的拘束長い |
Zwift Academy Road | 中~上級者、パフォーマンス追求 | 約8週間(期間限定) | 高強度ワークアウト、テスト要素 | 期間限定、要求レベル高い、モチベーション◎ |
TT Tune Up | 中級者~、FTP持続力強化 | 5-8週間程度 | 閾値・スイートスポット中心 | FTP付近の維持力向上特化、他要素(VO2Max等)少なめ |
以下では、表で挙げた各プランについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
① FTP Builder シリーズ:パワトレ初心者・基礎固めに最適

パワートレーニングやZwiftのワークアウトにこれから慣れていきたい、という方に最適な入門プランです。
- 主な対象
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FTP計測が初めての方、パワートレーニング初心者、トレーニング習慣をつけたい方、FTP向上のための基礎固めをしたい方。
- 内容
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期間は4~6週間程度のものが多く、週のトレーニング回数も比較的少なめに設定されています。ワークアウト内容はスイートスポット(Sweet Spot)やテンポ走が中心で、高強度インターバルは少なめか、導入レベルの強度になっています。
- メリット
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- トレーニング強度に対する心理的・肉体的ハードルが低い。
- 無理なく始められ、トレーニングを習慣化しやすい。
- パワートレーニングの基本的な考え方や用語に慣れることができる。
- デメリット
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- FTPの絶対値を大幅に向上させることよりも、基礎力の養成が主目的。
- 経験者には物足りなく感じる可能性がある。
- こんな人におすすめ
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Zwiftでのトレーニングが初めての方、久しぶりにトレーニングを再開する方、まずは継続することを目標にしたい方。
② Build Me Up:FTPも総合力も!中級者以上の本格プラン

Zwiftの人気プランの一つで、FTPだけでなく、総合的な脚力をバランス良く向上させることを目指す本格的な内容です。
- 主な対象
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ある程度トレーニング経験のある中級者以上。FTPだけでなく、登坂力、独走力、回復力など、総合的なパフォーマンスアップを目指す方。
- 内容
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期間は10~12週間程度と長めで、週のトレーニングボリューム(時間やTSS)も比較的多めです。FTP向上に重要な閾値(Threshold)走はもちろん、VO2 Maxインターバル、無酸素運動、さらに低ケイデンス高トルクの筋力系ワークアウトなど、非常に多様な刺激が含まれます。
- メリット
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- FTPを含む、サイクリストに必要な様々な能力をバランス良く強化できる。
- 多種多様なワークアウトで飽きにくい。
- 完遂した際の達成感とパフォーマンス向上は大きい。
- デメリット
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- プラン期間が長く、週のトレーニング時間もある程度確保する必要がある。
- ワークアウトの強度が高く、肉体的・精神的な負荷も大きい。
- こんな人におすすめ
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トレーニングにある程度時間が割ける中級者以上。FTPだけでなく弱点をなくし、オールラウンドな脚を作りたい方。
③ Zwift Academy Road:期間限定!パフォーマンス追求型プログラム
プロ契約への道としても知られるZwift Academyは、期間限定で開催される特別なプログラムです。FTP向上はもちろん、自身の限界に挑戦する意欲のあるライダーに適しています。
- 主な対象
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パフォーマンス向上意欲の高い中級~上級者。レース志向の強いライダー。
- 内容
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通常、秋頃に約8週間の期間で開催されます。質の高いワークアウト(しばしば非常に高強度)に加えて、グループライドやレースへの参加がプログラムに含まれるのが特徴です。パフォーマンス測定やランキング要素もあります。
- メリット
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- 非常に質の高い、考え抜かれたワークアウトに取り組める。
- 世界中の参加者と競い合うことでモチベーションを高く保てる。
- 短期間で集中的にパフォーマンスアップを狙える可能性がある。
- デメリット
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- 開催期間が限定されている(通年では実施できない)。
- ワークアウトの要求レベルが高く、初心者には厳しい。
- レースやグループライドへの参加が必要な場合がある。
- こんな人におすすめ
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自分の実力を試したい、期間限定イベントで集中的に強くなりたい中~上級者。レースで結果を出したい方。
④ TT Tune Up:FTP持続力をピンポイント強化

タイムトライアル(TT)や、ヒルクライム、トライアスロンのバイクパートなど、一定のパワーを長く維持する能力を高めたい場合に特化したプランです。
- 主な対象
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中級者以上で、特にFTP付近の持続力を強化したい方。タイムトライアルやヒルクライムのパフォーマンスを向上させたい方。
- 内容
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期間は5~8週間程度のものが中心。ワークアウト内容はFTP向上に直結するとされるスイートスポット(Sweet Spot)や閾値(Threshold)での持続走トレーニングに多くの時間が割かれています。TTポジションでの実施が推奨されることもあります。
- メリット
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- FTP付近でのパワー維持能力、いわゆる「粘り」を集中的に鍛えられる。
- タイムトライアルや長い登坂のパフォーマンス向上に直結しやすい。
- デメリット
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- VO2 Maxやスプリント系の高強度刺激は相対的に少ない。
- ワークアウト内容がやや単調に感じられる可能性がある。
- こんな人におすすめ
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長い登りや単独走でペースを維持できるようになりたい方。タイムトライアルやトライアスロンのバイクパートのタイムを縮めたい方。
(※上記以外にも「Back to Fitness」のような復帰向けプランや、グラベル向けの「Dirt Destroyer」、クライマー向けの「Peak Performance」など、多様なプランが存在します。Zwiftアプリの「トレーニングプラン」セクションでぜひ探してみてください。)
トレーニングプランを成功させるためのヒント
どのプランを選んでも、成功のためには以下の点が共通して重要です。
- 継続は力なり
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何よりも、プランのスケジュールに沿ってコツコツと続けることが重要です。完璧でなくても、できる範囲で継続しましょう。
- 休息もトレーニングのうち
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体が疲れていると感じたら、無理せず休息日を設けたり、軽い回復走に切り替える勇気を持ちましょう。オーバートレーニングは逆効果です。
- 栄養と水分補給
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特に強度が高いワークアウトの前後は、適切なエネルギー補給と水分補給を忘れずに行いましょう。
- FTPの再計測
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プラン完了後は、再度FTPテストを実施しましょう。成長を確認することで達成感が得られ、次のトレーニングに向けてパワーゾーンを正確に再設定できます。
まとめ:自分に合ったZwiftプランで着実にFTPを向上させよう
Zwiftには、FTP向上という目標を達成するための強力なツールとなるトレーニングプランが豊富に用意されています。
大切なのは、自分のレベル、目標、そしてライフスタイルに合ったプランを見つけることです。
今回ご紹介した比較情報や選び方のポイントを参考に、あなたに最適なプランを選び、そして何より楽しみながら継続していきましょう。
スマートなトレーニングで、きっとあなたのFTPは向上し、サイクリングがもっと楽しくなるはずです!