ロードバイクのタイヤ交換時期が近づくと、「次こそは最高のタイヤを選びたい」と考えますよね。チューブレスレディタイヤの選択肢は年々増えていて、どれを選べばいいのか迷ってしまう方も多いはずです。
そんな中で、多くのサイクリストが最終的にたどり着くのがコンチネンタルのGrand Prix 5000 S TR(GP5000S TR)。前作のGP5000 TLから転がり抵抗を20%改善し、サイドウォール強度を28%向上させながら、700x25Cで45gもの軽量化を達成しています。
この記事では、GP5000S TRのスペックや技術的特徴から、サイズ選びのガイド、他タイヤとの比較まで、購入前に知っておきたい情報を網羅的にまとめました。
この商品が注目されている理由

Continental(コンチネンタル)は150年以上の歴史を持つドイツのタイヤメーカーで、自動車用タイヤでも世界トップクラスのシェアを誇ります。自転車タイヤにおいても、GP5000シリーズはロードバイク用タイヤのベンチマークとして長年君臨してきました。
GP5000S TRは、2021年のパリ〜ルーベと世界選手権TTという、正反対の特性が求められる2つのレースで勝利を収めた実績を持っています。Gran Fondo誌の2025年タイヤテストでは「Best in Test」にも選出されました。
プロレースの実績と第三者テストの評価、そして世界中のサイクリストからの高い支持が、GP5000S TRが注目され続ける理由です。
基本スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 商品名 | Continental Grand Prix 5000 S TR |
| タイプ | チューブレスレディ(チューブド兼用) |
| TPI | 2層220TPI(サイドウォール部3層330TPI) |
| コンパウンド | ブラックチリ |
| 耐パンク層 | ベクトランブレーカー |
| リム対応 | フックド/フックレス対応 |
| カラー | Black/Black Transparent(スキンウォール) |
| 製造 | Handmade in Germany |
| 定価(税込) | ¥13,750 |
サイズは700Cで4種類、650Bで2種類が展開されています。
| サイズ | 重量(Black) | 重量(Transparent) | 推奨〜最大気圧 |
|---|---|---|---|
| 700×25C | 250g | 255g | 73〜109PSI |
| 700×28C | 280g | 280g | 73〜94PSI |
| 700×30C | 300g | 305g | 56〜73PSI |
| 700×32C | 325g | 330g | 50〜73PSI |
なお、フックレスリムで使用する場合は、全サイズ共通で最大空気圧が73PSI(5.0BAR)に制限されます。ホイールメーカーの適合表も合わせて確認しておくと安心です。
注目したい機能
ブラックチリコンパウンド
タイヤのゴムコンパウンドは、グリップ・転がり抵抗・耐久性の3つが相反する関係にあります。グリップを高めれば摩耗が早くなり、転がりを軽くすればグリップが犠牲になるというジレンマです。
コンチネンタルのブラックチリコンパウンドは、特殊な合成ゴムに形状と表面を最適化したカーボン粒子を配合することで、この3要素を高次元で両立しています。用途に応じて配合を調整しており、GP5000S TRではロードレース向けに最適化されています。
ベクトランブレーカー
パンク防止層に採用されているベクトランは、液晶ポリマーから紡がれた繊維素材です。鉄の約5倍の引張強度を持ち、アラミド繊維(ケブラー)よりも高い耐切断性を誇ります。
一般的なナイロン製のパンク防止層と比較して、軽量かつ柔軟でありながら異物の貫通をしっかり防ぎます。転がり抵抗に悪影響を与えないのも大きなメリットです。
レーザーグリップ
タイヤのショルダー部分にレーザー加工で刻まれたマイクロプロファイル構造がレーザーグリップです。コーナリング時にタイヤが傾くと、この微細な構造が路面をしっかり捉えて安定したグリップを発揮します。
特にウェット路面でのコーナリングで効果を感じやすく、雨の日の下りでも安心感のあるハンドリングが得られます。
アクティブコンフォートテクノロジー(ACT)
タイヤ構造に組み込まれた振動吸収技術で、路面からの細かな振動を低減してくれます。チューブレスレディ運用と組み合わせることで、レーシングタイヤとは思えないほどの快適性を実現しています。
長時間のライドで蓄積する疲労の軽減にも貢献するため、レースだけでなくロングライドやブルベにも向いた技術です。
前作GP5000 TLからの進化ポイント
GP5000S TRは、前作のGP5000 TLから大幅な改良が施されています。
| 項目 | GP5000 TL | GP5000S TR | 変化 |
|---|---|---|---|
| ケーシング | 3層180TPI | 2層220TPI(サイド3層330TPI) | より薄くしなやか |
| 重量(700x25C) | 約295g | 250g | −45g |
| 転がり抵抗 | 基準 | 20%向上 | 転がりの軽さ改善 |
| サイドウォール強度 | 基準 | 28%向上 | サイドカット耐性強化 |
| フックレス対応 | 非対応 | 対応 | 適合ホイール拡大 |
| 装着性 | 非常に硬い | 改善 | ビード上げが容易に |
最も大きな変化は、ケーシング構造の刷新です。従来の3層180TPIから2層220TPIへと変更し、サイドウォール部分のみ1層追加して3層330TPIとしています。これにより軽量化と強度向上を同時に達成しています。
装着性の改善も見逃せないポイントです。前作GP5000 TLは「指が痛くなるほどはめにくい」という評価が多かったのに対し、S TRではタイヤレバーを使えば問題なく装着できるレベルに改善されています。
利用者から評価されている点
転がりの軽さと加速感
GP5000S TRの転がり抵抗は、独立テスト機関Bicycle Rolling Resistanceの計測で10.1W(80psi時)を記録しています。これはオールラウンドタイヤとしてはトップクラスの数値で、同じ出力でもスピードの維持が楽になります。
前作TLからの「20%向上」という公称値について、綺麗な路面では体感しにくいとの評価もありますが、粗いアスファルトや荒れた路面では失速しにくさを実感しやすいとされています。
ウェット・ドライ両面のグリップ力
ブラックチリコンパウンドとレーザーグリップの組み合わせにより、ドライでもウェットでも安定したグリップが得られると高く評価されています。Bicycle Rolling Resistanceのウェットグリップテストでも66ポイントという高いスコアを記録しています。
コーナリング時の安心感が高く、路面への食いつきが良いため、下りでも安心して攻められるタイヤです。
装着のしやすさ
前作TLの最大の不満点だった装着の難しさが大幅に改善されています。タイヤレバーを使えば一般的なチューブレスレディタイヤと同等レベルで装着でき、ビード上げもフロアポンプで対応可能との報告が多数あります。
GP5000 TLで挫折した経験がある方でも、S TRなら安心して取り組めるレベルに改善されています。
耐パンク性と耐久性
ベクトランブレーカーによる耐パンク性は非常に高く、Bicycle Rolling Resistanceの耐パンクテストでも36ポイントを獲得しています。グラベルを走っても問題なかったという報告もあり、パンク防止性能はトップクラスです。
耐久性については、コンチネンタルのGPシリーズは4,000〜5,000km程度の寿命が期待できるとされています。1本あたりの走行単価で見ると、安価なタイヤを頻繁に交換するよりもコストパフォーマンスに優れる場合があります。
購入前に知っておきたいポイント
1本13,750円という価格設定
GP5000S TRの定価は1本13,750円(税込)で、前後2本揃えると約27,500円になります。ロードバイクタイヤの中ではハイエンドの価格帯です。
ただし、2025年6月の価格改定で従来の15,950円から約14%値下がりしており、以前よりは手を出しやすくなっています。4,000〜5,000km持つ耐久性を考慮すると、1kmあたり約5.5〜7円の計算です。
チューブレスレディ特有のエア漏れ
チューブレスレディタイヤの宿命として、ある程度のエア漏れは避けられません。2〜3日で1気圧程度の低下が報告されており、乗車前の空気圧チェックは必須です。
コンチネンタル純正のRevo Sealantの使用が推奨されており、初回装着時は1本あたり30ml以上のシーラントが必要です。シーラントは定期的な補充も必要になるため、ランニングコストとして考慮しておきましょう。
綺麗な路面での差は感じにくい
路面のコンディションが良い場所では、他社のハイエンドタイヤとの差を感じにくいという評価もあります。転がり抵抗の「20%向上」はあくまで前作TLとの比較であり、GP5000 CLにラテックスチューブを組み合わせた場合と大きな差がないという指摘も存在します。
一方で、粗い路面や荒れた道路では、チューブレスレディの恩恵が明確に出るとされています。日常的に走る路面の状態を考慮して判断するのがポイントです。
サイズ選びのポイント
GP5000S TRは25C・28C・30C・32Cの4サイズ展開ですが、選び方にはいくつかのポイントがあります。
| サイズ | 向いている用途 | リム内幅の目安 |
|---|---|---|
| 700×25C | レース、ヒルクライム重視 | 17〜21mm |
| 700×28C | オールラウンド、ロングライド | 19〜23mm |
| 700×30C | 快適性重視、ロングライド | 21〜25mm |
| 700×32C | グラベル混在、最大の快適性 | 21〜25mm |
現在のワイドリムトレンドでは、リム内幅21mmのホイールに28Cを合わせるのがスタンダードになりつつあります。レース志向なら25C、快適性と速さのバランスなら28Cが選ばれる傾向です。
フックレスリムを使用する場合は、必ずホイールメーカーの適合表を確認してください。フックレスリムでは最大空気圧が73PSI(5.0BAR)に制限されるため、25Cでは少し低めの空気圧で運用することになります。
他のタイヤと比べて
GP5000シリーズには複数のバリエーションがあり、他社のハイエンドタイヤも含めて比較すると以下のようになります。
| タイヤ | 重量(25C) | 定価(税込) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| GP5000S TR | 250g | ¥13,750 | オールラウンドのTR最高峰 |
| GP5000 CL | 215g | ¥12,100 | クリンチャー専用、最軽量 |
| GP5000TT TR | 220g | ¥18,700 | TT・決戦用、耐久性は控えめ |
| GP5000AS TR | 295g | ¥17,270 | オールシーズン対応 |
| Grand Prix TR | 280g | ¥8,800 | コストパフォーマンス重視 |
GP5000 CLにラテックスチューブを入れる組み合わせも根強い人気がありますが、パンクリスクの管理やチューブ交換の手間を考えると、チューブレスレディのGP5000S TRの方がトータルで使いやすいという評価が多くなっています。
決戦用として最速を求めるならGP5000TT TR、コストを抑えたいならGrand Prix TR、普段使いからレースまで1本で対応したいならGP5000S TRという選び方になります。
購入前によくある質問
GP5000 TLとGP5000S TRの違いは?
GP5000S TRは、GP5000 TLの後継モデルです。ケーシング構造を一新し、転がり抵抗20%改善、サイドウォール28%強化、45g軽量化(25C比)を達成しています。さらにフックレスリムにも対応しています。
フックレスリムで使えますか?
全サイズでフックレスリム対応です。ただし、フックレスリム使用時の最大空気圧は73PSI(5.0BAR)に制限されます。各ホイールメーカーの適合表も必ず確認してください。
クリンチャー(チューブあり)でも使えますか?
チューブレスレディタイヤですが、インナーチューブを入れてクリンチャーとしても使用できます。ただし、チューブレスレディ運用のほうが転がり抵抗と乗り心地の両面で有利です。
推奨シーラントは?
コンチネンタル純正のRevo Sealantが推奨されています。初回装着時は1本あたり30ml以上を注入し、タイヤを回転させて全体に行き渡らせてから最大空気圧まで充填します。
TransparentとBlackの違いは?
Transparent(トランスパレント)はサイドウォールが透けて見えるスキンウォールカラーで、Blackはサイドウォールも黒一色のモデルです。Transparentの方が各サイズで5〜10g重くなりますが、見た目の好みで選んで問題ありません。
どこで買える?
GP5000S TRは、日本代理店のミズタニ自転車を通じて全国の自転車販売店で取り扱いがあります。定価は1本13,750円(税込)です。
Amazonでも正規品が販売されており、定価よりも割安に購入できる場合があります。サイズやカラーのバリエーションも揃っているため、在庫状況と合わせてチェックしてみてください。
まとめ
GP5000S TRは、転がり抵抗の低さ、高いグリップ力、優れた耐パンク性能、そして前作から大幅に改善された装着性と、チューブレスレディタイヤに求められる要素を高いレベルで兼ね備えたタイヤです。
レースでタイムを狙いたい方、ロングライドで安心して走りたい方、チューブレスレディへの移行を検討している方にとって、GP5000S TRは間違いのない選択肢と言えます。1本13,750円という価格は決して安くはありませんが、4,000〜5,000kmの耐久性を考えれば、トータルのコストパフォーマンスは十分に納得できる水準です。
プロレースで勝利を重ね、第三者テストでも高い評価を受け続けているGP5000S TR。次のタイヤ交換で、その走りの違いを体感してみてはいかがでしょうか。
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